脳全体のモジュール構成情報
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脳全体のモジュール構成情報 [2015/10/07 17:36] – [コネクトームデータを利用したモジュール構成情報] ymkw | 脳全体のモジュール構成情報 [2015/11/03 16:58] (現在) – kawamura | ||
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====== 脳全体のモジュール構成情報 ====== | ====== 脳全体のモジュール構成情報 ====== | ||
- | [[モジュール構成情報]]は,機械学習モジュールおよびその接続情報である. | + | [[モジュール構成情報]]は、機械学習モジュールおよびその接続情報です。 |
- | [[脳全体のモジュール構成情報]]は,脳全体についてのモジュール構成情報であり,[[全脳アーキテクチャ・アプローチ]]においては,この情報により[[認知アーキテクチャ]]が構成されることを前提としている. | + | [[脳全体のモジュール構成情報]]は、脳全体についてのモジュール構成情報であり、[[全脳アーキテクチャ中心仮説]]を前提とした[[全脳アーキテクチャ・アプローチ]]においては、この情報により[[認知アーキテクチャ]]が構成されることを前提としています。 |
- | この情報は,[[全脳アーキテクチャ・アプローチ]]のミッション・ステートメントの前半部分である「脳全体のアーキテクチャに学び〜」を体現するために非常に重要である. | + | この情報は、[[全脳アーキテクチャ・アプローチ]]のミッション・ステートメントの前半部分である**「脳全体のアーキテクチャに学び〜」を体現するために**非常に重要です。そして、この情報は[[認知アーキテクチャ]]に制約を与えることから、「[[脳型制約]]」と呼ぶこともあります。 |
+ | ===== 脳全体のモジュール構成情報の利用にあたって ===== | ||
+ | ==== 利用するメリット ==== | ||
- | ===== コネクトームのモジュール構成情報利用とその課題 ===== | + | === 知識不足を補う |
+ | 神経科学の知識が(ほぼ)なくても、モジュール毎に割り当てられた機能を接続するインタフェース制約を [[BriCA言語]]で記述して接続すれば脳型 AI 開発に貢献できる。 | ||
- | [[脳全体のモジュール構成情報]]の主要な情報源としては,様々な動物種における脳全体の[[メゾスコピック]]な接続(コネクトーム・データ等)が想定されている. | + | === AGI への到達可能性 === |
+ | 脳をガイドとしているので、いずれは人間レベルの [[汎用人工知能|AGI]] に到達できる見込みがある。 | ||
- | コネクトーム・データを[[BriCA言語]]上で表現すること自体も一つの技術課題ではある. | + | === 開発コストの削減 === |
- | しかし仮に,「脳は機械学習モジュールに分解できる」という仮説を受け入れたとしても課題が存在し今後の研究/検討が必要である. | + | ある程度開発が進んだ後であれば、部品を置き換えれば[[認知アーキテクチャ]]として即稼働できる。 |
- | 以下に代表的な課題を列挙する. | + | |
- | * 課題1:静的なモジュール間結合は密すぎて,認知アーキテクチャを構築するには不十分かもしれない. | + | === ロバスト性 === |
- | * 課題2:メゾスコッピックなレベルでの神経集団のクラスタリングが,機械学習モジュールとすべきクラスタと一致する保証がない. | + | 困ったときに他のモジュールに助けられて、例外などに強くなる[[ロバスト性]]を持つ。 |
- | * 課題3:特定の認知タスクを実行しているコンテクストにおいての,モジュール間の関係性を校了すべきであろう. | + | |
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+ | ==== 利用するデメリット ==== | ||
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+ | === モジュールを登録するコスト === | ||
+ | 開発しているモジュールの機能に応じて脳内の位置づけを決定し、それに応じて BriCA 言語でコネクションを記述するコストが発生する。 | ||
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+ | ※ WBAI 側にアドバイザーがいれば緩和できる。 | ||
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+ | === モジュールを登録するコスト === | ||
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+ | コネクションの決定にあたってインタフェースに制約が生ずる。 | ||
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+ | 脳内の適切なモジュラリティを決定したり、ユーザ側のプログラムを適切に分割したりなどで対応する。 | ||
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+ | ===== コネクトーム情報の活用とその課題 ===== | ||
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+ | [[脳全体のモジュール構成情報]]の主要な情報源としては、様々な動物種における脳全体の[[メゾスコピック]]な接続(コネクトーム・データ等)が想定されています。 | ||
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+ | コネクトーム・データを [[BriCA言語]]上で表現すること自体も一つの技術課題です。 | ||
+ | しかし仮に、「脳は機械学習モジュールに分解できる」という仮説を受け入れたとしても課題が存在し、今後の研究や検討が必要です。 | ||
+ | 以下に代表的な課題を列挙します。 | ||
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+ | * 課題1:静的なモジュール間結合は密すぎて、認知アーキテクチャを構築するには不十分かもしれない。 | ||
+ | * 課題2:メゾスコピックなレベルでの神経集団のクラスタリングが、機械学習モジュールとすべきクラスタと一致する保証がない。 | ||
+ | * 課題3:特定の認知タスクを実行しているコンテクストにおいてのモジュール間の関係性を考慮すべきであろう。 | ||
脳全体のモジュール構成情報.1444206991.txt.gz · 最終更新: 2015/10/07 17:36 by ymkw