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脳全体のモジュール構成情報
モジュール構成情報は、機械学習モジュールおよびその接続情報です。 脳全体のモジュール構成情報は、脳全体についてのモジュール構成情報であり、全脳アーキテクチャ中心仮説を前提とした全脳アーキテクチャ・アプローチにおいては、この情報により認知アーキテクチャが構成されることを前提としています。
この情報は、全脳アーキテクチャ・アプローチのミッション・ステートメントの前半部分である「脳全体のアーキテクチャに学び〜」を体現するために非常に重要です。 そしてこの情報は認知アーキテクチャに制約を与えることから,「脳型制約」と呼ぶこともあります。
脳全体のモジュール構成情報の利用にあたって
利用するメリット
知識不足を補う
神経科学の知識が(ほぼ)なくても,モジュール毎に割り当てられた機能を,接続するインタフェースの制約をBriCA言語で記述して接続すれば脳型AI開発に貢献できる
AGIへの到達可能性
脳をガイドとしているので,何れは人間レベルのAGIに到達できる見込みがある
開発コストの削減
ある程度開発が進んだ後であれば,部品を置き換えれば認知アーキとして即稼働
ロバスト性
困ったときに,他のモジュールに助けられて,例外などに強くなる
利用するデメリット
モジュールを登録するコスト
開発しているモジュールの機能に応じて脳内の位置づけを決定し,それに応じてBriCA言語でコネクションを記述するコストが発生する
※WBAI側にアドバイザーがいれば緩和できる.
モジュールを登録するコスト
コネクションの決定にあたってインタフェースに制約が生ずる 脳内の適切なモジュラリティを決定したり,ユーザ側のプログラムを適切に分割したりなどで対応する.
コネクトーム情報の活用とその課題
脳全体のモジュール構成情報の主要な情報源としては、様々な動物種における脳全体のメゾスコピックな接続(コネクトーム・データ等)が想定されています。
コネクトーム・データをBriCA言語上で表現すること自体も一つの技術課題です。 しかし仮に、「脳は機械学習モジュールに分解できる」という仮説を受け入れたとしても課題が存在し、今後の研究や検討が必要です。 以下に代表的な課題を列挙します。
- 課題1:静的なモジュール間結合は密すぎて,認知アーキテクチャを構築するには不十分かもしれない。
- 課題2:メゾスコッピックなレベルでの神経集団のクラスタリングが,機械学習モジュールとすべきクラスタと一致する保証がない。
- 課題3:特定の認知タスクを実行しているコンテクストにおいてのモジュール間の関係性を考慮すべきであろう。