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オンラインセミナー: 生命進化の終焉とシンギュラリティ後の世界

開催報告:

https://wba-initiative.org/17123/

受講方法:

どなたでも、ご自由に受講できます。

趣旨説明 資料を先行公開いたしました。


セミナー概要

スピーカー:

  • 山川宏(全脳アーキテクチャ・イニシアティブ・理化学研究所・東京大学)
  • 岡ノ谷一夫(東京大学)
  • 中川裕志(理化学研究所)
  • 長谷敏司(SF作家:ゲスト)

本セミナのねらい:

生命における進化という戦略の基本要素は自律分散・多様化・局所的な競争の3つであるように見えます。つまり、多様性を高めた分散エージェントが自律的に活動し、局所的に競争することでて発展してきたと捉えられるでしょう。そして人類は生物学的進化を超えて、言語・社会・文明・技術などを加速度的に発展させてきました。

この進化戦略は、相対的に広い環境に置かれた個体やその集団が、環境からの脅威や圧力に抗して発展する際に有効に機能してきました。しかし、人類がその力を増すほどに、その副産物として、核戦争や気候変動を始めとする、人為的なリスクを増大させています。この不都合な事態の原因は、進化戦略の前提であった競争の「局所性」が破壊されることにありそうです。シンギュラリティ(技術的特異点)の本性は、むしろ進化戦略の限界であったのかもしれません。そうであれば、このリスクは、同様の戦略をとる、人以外の知的生命体やいずれ実現しうる高度AIにおいてすら不可避です。 そこで本セミナーでは、本当に局所性は破壊されることで進化戦略には限界が生ずるのか、そうであれば「自律分散」もしくは「多様化」という価値観を見直す必要があるのか、現状の進化戦略を超えた新たな発展の形が生まれるのかなどについて講演を行います。

さらに、今後ますます、グローバル化・複雑化・高速化が進む人類社会を維持してゆくために、より自律性を高めたAIシステムによる支援は不可避な前提となるでしょう。ですから高度AIとその知能爆発をリスク要因として捉えるよりも、大局的なリスクを乗り越えるために活用するという視点が求められます。そこで、セミナーの後半では開場の皆さんとともに、どのような能力を備え、いかなる価値基準観をもつ高度AIとともに、私達は未来に向かって歩みうるのかなどを含む議論を行いたく思います。

セミナー・スケジュール

時間 内容 講演者
14:30 開会の辞/会場説明 岡ノ谷一夫
14:35 趣旨説明 山川 宏
14:45 AI脅威論 中川裕志
15:00 技術進展がもたらす進化戦略の終焉 山川宏
15:30 言語の発生と進化の終わり 岡ノ谷 一夫
16:00 休憩(15分)
16:10 環境は創発する 長谷敏司 (SF作家)
16:25 パネルディスカッション モデレータ 中川裕志、パネリスト: 長谷敏司、山川宏、岡ノ谷一夫
17:25 閉会の辞 中川裕志
17:30 終了

経緯:

本セミナーの発端は、2019年12月12日に、汎用人工知能の研究者である山川宏氏が、シンギュラリティの本質が、「自律分散+多様化+局所的な競争」を基盤とする進化戦略の限界ではないかという意見をのべたことに端を発するSNS上での議論にあります。これに対して、進化言語学者の岡ノ谷一夫氏らからは、同時期に似たような見解にたどり着いているとのコメントがありました。さらに、SF作家の長谷敏司氏をふくめ多くの方による議論が巻き起こり、中川裕志氏より、セミナー開催の提案がなされました。(参考FBスレッド: http://bit.ly/3725z8v )

主な関連文献:

 


オーガナイザー

  • 山川宏 (全脳アーキテクチャ・イニシアティブ、理化学研究所AIP, 東京大学)
  • 岡ノ谷一夫(東京大学)
  • 中川裕志(理化学研究所 AIP)

主催者

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