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全脳アーキテクチャ・アプローチ [2015/10/07 04:24] t.sato |
全脳アーキテクチャ・アプローチ [2015/10/09 09:06] ymkw |
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- | ====== 全脳アーキテクチャ(WBA)・アプローチ ====== | + | ====== 全脳アーキテクチャ・アプローチ ====== |
- | 全脳アーキテクチャ・アプローチは,ミッション・ステートメントとして以下を掲げる研究アプローチ. | + | 全脳アーキテクチャ・アプローチは、以下のミッション・ステートメントを掲げる研究アプローチです。 |
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- | 【全脳アーキテクチャ・アプローチのミッション・ステートメント】 | + | 【ミッション・ステートメント】 |
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+ | ** 脳全体のアーキテクチャに学び人間のような汎用人工知能を創る(工学) ** | ||
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- | === 脳全体のアーキテクチャに学び人間のような汎用人工知能を創る(工学) === | ||
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- | ※ | + | 全脳アーキテクチャ・アプローチでは、[[全脳アーキテクチャ中心仮説]]にしたがって、脳全体の仕組みに学び、機械学習を組み合わせた[[認知アーキテクチャ]]を構築します。 |
- | 構築にあたっては,複数の脳器官の仕組みから学んで作成した機械学習を組み合わせて作られる[[認知アーキテクチャ]]を指します。個々の脳器官や部分的な神経回路だけをモデル化するのではなく、それらを組み合わせた脳全体の機能をモデル化することになるため「全脳」アーキテクチャと呼ばれます。 | ||
- | 現在のミッション・ステートメントは,2015年8月12日の第15回 WBAP研究打ち合わせ(第4回WBAI運営委員会)において合意されたもので,WBAPおよびWBAIにおいて支持されています. | + | 狭い意味での全脳アーキテクチャ・アプローチは,[[理論に基づくニューロコンピューティング]]に対置される概念である。 |
+ | 一方で,全脳アーキテクチャ・アプローチを広くとらえて[[理論に基づくニューロコンピューティング]]を含むとする見方もある。 | ||
- | それ以前のミッション・ステートメントは,「 脳全体のアーキテクチャに学び人間並みの汎用人工知能を創る(工学)」であり,2015年2月6日の第10回WBAP全体会で合意されたものである. | + | また,しばしば[[汎用人工知能]]の実現に向けたアプローチとして,大脳新皮質の機能とモデル化に着目したアプローチが存在する(こちらは[[超脳知能]]の立場に近い)が,一方で価値システムなどを含む脳全体を扱うアプローチが有り,[[全脳アーキテクチャ・アプローチ]]はこちらに属する. |
- | このWBAアプローチは,汎用人工知能を工学的に構築するために脳を参考として用いるものであり,脳の理解を目指す神経科学もしくは計算論的神経科学研究とは一線を画する. | ||
- | こうしたことからWBAアプローチは,脳における比較的荒い粒度の仕組み(主に神経回路レベル)から計算機能を参考にしようとしている点において,主に医療応用などを目指してより詳細なモデル化(神経細胞の仕組み以上に詳細まで立ち入る)モデル化を行う全脳エミュレーション/全脳シミュレーション研究と異なる.ただし,WBAアプローチにおいても,研究進展に応じて必要があれば,より詳細レベルでのモデル化を行う場合もありえる. | + | === ミッション・ステートメントの遷移 === |
+ | 現在のミッション・ステートメントは、2015年8月12日の第15回[[WBAP]]研究打ち合わせ(第4回WBAI運営委員会)において合意されたもので、WBAPおよびWBAIにおいて支持されています。それ以前のミッション・ステートメントは「脳全体のアーキテクチャに学び人間並みの汎用人工知能を創る(工学)」であり、2015年2月6日の第10回WBAP全体会で合意されたものです。\\ | ||
- | < | + | === 既存研究との違い === |
+ | このWBAアプローチは、汎用人工知能を工学的に構築するために脳を参考として用いるものであり、脳の理解を目指す[[神経科学]]もしくは[[計算論的神経科学]]研究とは一線を画するものです。\\ | ||
+ | また、WBAアプローチは、脳における比較的荒い粒度の仕組み(主に神経回路レベル)から計算機能を参考にしようとしている点において、主に医療応用などを目指してより詳細なモデル化を行う[[全脳エミュレーション]]/[[全脳シミュレーション]]研究と異なります。 | ||
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+ | ⇒ [[WBAの研究開発]] |