全脳アーキテクチャ中心仮説
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| 全脳アーキテクチャ中心仮説 [2015/10/07 06:47] – [WBAアプローチの実現性] t.sato | 全脳アーキテクチャ中心仮説 [2022/05/03 13:52] (現在) – [全脳アーキテクチャ中心仮説] n.arakawa | ||
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| ====== 全脳アーキテクチャ中心仮説 ====== | ====== 全脳アーキテクチャ中心仮説 ====== | ||
| - | <WRAP center round tip 90%> | ||
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| - | 【全脳アーキテクチャ中心仮説】 | ||
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| ”脳はそれぞれよく定義された機能を持つ機械学習器が一定のやり方で組み合わされることで機能を実現しており、それを真似て人工的に構成された機械学習器を組み合わせることで人間並みかそれ以上の能力を持つ汎用の知能機械を構築可能である” | ”脳はそれぞれよく定義された機能を持つ機械学習器が一定のやり方で組み合わされることで機能を実現しており、それを真似て人工的に構成された機械学習器を組み合わせることで人間並みかそれ以上の能力を持つ汎用の知能機械を構築可能である” | ||
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| 全脳アーキテクチャ中心仮説は、全脳アーキテクチャ・アプローチにおけるミッション・ステートメントを実現するために設定された仮説です。[[WBAP]]初期(2014年6月頃)において[[高橋恒一]]氏による原案をベースとして議論が行われ、現在(2015年10月時点)では上記の形になっています。WBAPにおける作業仮説として概ね合意を得られていますが、脳をモジュールに分解可能であるかなどについての議論は残っています。 | 全脳アーキテクチャ中心仮説は、全脳アーキテクチャ・アプローチにおけるミッション・ステートメントを実現するために設定された仮説です。[[WBAP]]初期(2014年6月頃)において[[高橋恒一]]氏による原案をベースとして議論が行われ、現在(2015年10月時点)では上記の形になっています。WBAPにおける作業仮説として概ね合意を得られていますが、脳をモジュールに分解可能であるかなどについての議論は残っています。 | ||
| - | ===== 二種類の研究開発への分解 ===== | ||
| - | この仮説により、[[全脳アーキテクチャ・アプローチ]]における研究開発は大きくは、(1)脳器官モジュールの研究開発と、(2)脳全体統合機能の研究開発の二つに分解されます。 | ||
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| - | === (1)脳器官モジュールの研究開発 === | ||
| - | [[脳器官モジュールの研究開発]]においては、脳器官([[大脳新皮質]]の領野、[[基底核]]、[[海馬]]、[[扁桃核]]等)、もしくはそれらを細分化した各部分を機械学習モジュールとして開発する。 | ||
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| - | === (2)脳型認知アーキテクチャの研究開発 === | ||
| - | [[脳型認知アーキテクチャ]]の研究開発は、脳器官モジュールを統合することで脳全体の構造に学んだ[[認知アーキテクチャ]]を構築する研究開発である。このための支援環境を構築するために[[脳全体統合環境の開発]]が必要とされる。 | ||
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| - | ===== WBAアプローチの実現性 ===== | ||
| - | 上記の分解を端的に述べると以下となる。 | ||
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| - | <WRAP center round important 80%> | ||
| - | 全脳アーキテクチャ = (1)[[複合機械学習]] + (2)[[脳型認知アーキテクチャ]] | ||
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| - | 分解されたそれぞれについて,実現性を高める要因があらわれてきたことがWBAアプローチ全体の実現性を高めています。 | ||
| - | (1)[[複合機械学習]]については深層学習技術の進展により、これまで難しかった大脳新皮質を機械学習器としてモデル化することに一定の目処が立ちつつあることがWBAアプローチを後押ししています。特に脳における大脳新皮質の役割として、汎用的なメカニズムを用いつつ、経験に基づいて多様な知的機能を獲得する部分に相当しており、汎用人工知能の実現において根幹的な役割を担っています。さらに[[深層学習]]は、人工知能にとっての往年の課題である[[表現獲得]]機能において突破口を得ている点も重要です。 | + | この仮説を起点として[[wbaの研究開発]]が設定されることになります。 |
| - | (2)脳型の認知アーキテクチャについては、近年の欧米等の脳科学大量投資で脳全体の結合様式([[コネクトーム]])がみえつつあることから、[[メゾスコピック]]レベルのコネクトーム情報を認知アーキテクチャの基礎情報として利用できる可能性が高まっています。((未だ不十分な情報もある。例えば大脳新皮質に関しては、局所的な6層構造のどの層への入出力であるかを特定できることが機械学習装置を接続する際に重要な情報になる。)) | + | === 関連項目 === |
| + | * [[全脳アーキテクチャ・アプローチ]] | ||
| + | * [[WBAの研究開発]] | ||
| + | * [[WBAアプローチの実現性]] | ||
全脳アーキテクチャ中心仮説.1444168041.txt.gz · 最終更新: 2015/10/07 06:47 by t.sato
