====== BriCA プロジェクト ====== BriCA (Brain-inspired Computing Architecture) プロジェクトは、[[WBAI]] 周辺において進められている[[脳全体統合環境の開発]]活動の一つであり、[[コミュニティによるWBA開発]]を目指しています。 ここで開発されているソフトウェア(脳型計算アーキテクチャ開発プラットフォーム)が BriCA プラットフォームと呼ばれるものです。 ===== BriCA プラットフォーム ===== BriCA プラットフォームは、主な構成要素として以下の2つを持ちます: * [[BriCAコア]]:[[全脳アーキテクチャ中心仮説]] に基づき脳領域を模した機能モジュール間で数値ベクトルの信号をやりとりする実行環境 * [[BriCA言語]]:アーキテクチャを記述する言語 脳型の[[認知アーキテクチャ]]開発のために作られたため、以下の点で[[全脳アーキテクチャ]]の実装に適したものとなっています。 * 脳内の分散表現を模した数値ベクトル表現 * 脳内の信号伝達を模したメッセージパッシング * 脳領域の階層性などアーキテクチャの適切な構造表現が可能 * 脳と同様に領域間で逆誤差伝播を行わない。 また、軽量でスケーラブル、マルチプラットフォームという特長があり、OpenAI Gym(エージェント環境)をサポートするとともに、複数の機械学習フレームワークを混合して用いることもできます。\\ BriCAで記述したコンポーネント(モジュール)は再利用されることが期待されます。 [[BriCA言語]]では、記述したアーキテクチャをBriCAコアの実装に変換するインタプリタを提供しています。\\ また、スプレッドシートで記述したアーキテクチャ(仕様書)をBriCA言語に変換するユーティリティも提供しています。 詳細は以下のページを参照ください:**[[BriCA プラットフォームの使い方]]**([[https://www.slideshare.net/wba-initiative/brica202205pdf|説明会スライド]]) ===== これまでの開発状況 ===== BriCA プロジェクトは[[https://lbc.riken.jp|理研BDRバイオコンピューティング研究チーム]]の主導により2014年の夏頃から開始されました。\\ 2022年のはじめに実利用に関してプラットフォームの周辺ソフトウェアが整備されました。 ==== V0 開発(2014年11月〜2015年3月) ==== BriCA コアの Java 実装(プロトタイピング)を行いました。 ==== V1 開発(2015年3月〜) ==== 現在運用・保守中のバージョンです(Pure Python実装)。\\ [[BriCAコア]]を参照ください。 ==== V2 開発 ==== 最新版([[https://pypi.org/project/BriCA2/|pip]])です。[[https://wba-initiative.org/3401/|2018年のハッカソン]]で用いられましたが、まだ文書化されていません。 ===== 参考文献 ===== * [[https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2015/webprogram/2015/pdf/2I4-OS-17a-1in.pdf|認知コンピューティングのための汎用ソフトウエアプラットフォームの設計と開発]]、 高橋 et al. (2015)