図や数式がないと説明しづらいですが,力学系において,ある初期値の範囲が収束する領域をアトラクタと呼びます。また,力学系が収束する場合アトラクタを持つと呼びます。数学,および,生物学でおおまかに言えば,平衡(equibrium)の概念に対応します。
アトラクタには,点(point attractor)収束する場合,だけでなく周期道(periodic attractor),極限周期道(limit cycle),奇妙なアトラクタ(strange attractor) が存在します。アトラクタの収束する範囲を流域(basin)と呼びます。
例えば,相互にシナプス結合を有する2つのニューロンは,2変数以上の力学系として記述されますので,アトラクタを持つ場合があります。縦軸と横軸とに両ニューロンの活動電位をプロットすれば,両ニューロンの活動電位の時間変動は2次元平面に描画できます。このときの時間変動は軌跡,軌道(orbit または trajectory)と呼ばれます。