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第8回全脳アーキテクチャ勉強会〜時系列データ -脳と機械学習技術は時間をどう扱うのか-

概要

全脳アーキテクチャ勉強会では、毎回脳の機能の一部に注目し、神経科学、機械学習などの関連分野の専門家をお呼びし、脳の機能の実現方法の何がわかっていて何がわかっていないかを明らかにしていきます。

今回のテーマは「時系列データ」です。

認知科学、計算論的神経科学、認知ロボティクスの分野から講師をお招きし、脳が時系列データをどう扱うのかまた現状の機械学習技術は時系列データをどう扱うのかをそれぞれお話しいただき、相互に知見を補間し合うことを目指します。

 

開催詳細

  • 日 時:2014年11月10日(月) 18:15~21:00(開場: 18:00~19:00)
  • 会 場:グラントウキョウサウスタワー 41Fアカデミーホール
  • 参加者:約200人(スタッフ・関係者含む)

 

講演スケジュール

 

19:40休憩(10分)

時間 内容 講演者
18:15 開会の挨拶オープニング 一杉裕志(産総研)
18:20 脳における時間順序判断の確率論的最適化 宮崎真(山口大学時間学研究所)
19:00 順序とタイミングの神経回路モデル 山崎匡(電気通信大学)
19:50 深層学習によるロボットの感覚運動ダイナミクスの学習(資料 尾形哲也(早稲田大学)
20:30 全体討論
20:40 フリーディスカッション
21:00 懇親会

 

脳における時間順序判断の確率論的最適化


講演者:宮崎真(山口大学時間学研究所)

概要: ヒトの時間順序の判断は事前の経験に応じて変化する。本発表では,時間順序判断における適応機構の一つとして,ベイズ推定に着目し,その理論モデルの概要と心理物理学的な観測例を紹介する。さらに,機能的共鳴画像、脳波、経頭蓋磁気刺激といった手法を用いたベイズ推定の神経機序の探究の試みを報告し、参加者とともに議論したい。

 

 

 

順序とタイミングの神経回路モデル


講演者:山崎匡(電気通信大学)

概要:物事を適切な順序、適切なタイミングで行うことは日常生活において重要である。特に運動制御においては適切な順序での運動生成と精緻なタイミング制御が本質的である。本講演では、脳における順序生成と小脳によるタイミング制御の機構を紹介し、全脳アーキテクチャ構築に必要と思われる構成要素について議論する。

 

 

 

深層学習によるロボットの感覚運動ダイナミクスの学習


講演者:尾形哲也(早稲田大学)

概要:近年,画像や音声のパターン認識において,深層学習が大きな成果を上げている.しかしロボットではセンサのクラス分類は,その連続的な動作生成に直接には役には立たない.ダイナミックな動作に必要な認識とは何か,という視点が重要となる.ここでは時系列データ(ダイナミクス)の処理という視点から深層学習を用いた,ロボットの感覚運動データ学習の研究の事例を紹介する.

 

 

 

 

謝辞


第8回全脳アーキテクチャ勉強会開催にあたり、下記の皆様にご協力頂きました。
心よりお礼申し上げます。

記録撮影: 都築拓  様(大阪大学理学部生物科学科)
報告書執筆: 丸山隆一 様(森北出版)
報告書執筆: 田中美里 様(同志社大学)
会場提供: 株式会社リクルートテクノロジーズ 様