エアロセンス株式会社の嶋田と申します。私がAGIに関わるきっかけとなったのは、2014年に前職の株式会社経営共創基盤の社内勉強会において、2012年ディープラーニングで猫を認識した「Googleの猫」などに関する松尾先生のお話を聞いたことです。
それまでの人工知能はどちらかというとルールベースが主流で無味乾燥としたイメージを漠然と持っていましたが、それを聞いた瞬間、「一気に人の知性の真理に近づいた!」と直感するとともに、スコットランドにあるセントアンドリュース大学で修めた哲学と、その後経営コンサルとしてハイテク系の案件に多く携わってきたビジネスとが、自分のなかで融合した瞬間でもあり、今でもその時に感じた高揚感を覚えています。
その社内勉強会後すぐに人工知能学会の正会員となり、メーリングリストに登録して間もなくの2014年5月12日、山川さんよりAGI研究会の輪読メンバ募集メールが入り、その日の内に志願をしました。第15回(2015年2月19日)AGI輪読会では、当時仕事で関わっていたFPGAについて、製造後に回路を(動的にも)再構成可能な点で、AGIを実装するハードウェアとしての可能性を紹介しました。その後、「脳全体のアーキテクチャに学び人間のような汎用人工知能を創る」ことを目指すWBAIに共感し、企業スポンサーの紹介などで少しご支援をさせていただきました。
WBAIが設立された2015年8月と同時期に、哲学とビジネスの融合としてのAIを具現化(=AIロボット事業を実現)していくため、空飛ぶロボットであるドローンの産業用ソリューションの開発・提供をしていくエアロセンスに創業メンバの一人として参画し、現在もその事業拡大に邁進しています。その活動のなかで多くの自動移動技術を見ることとなり、市瀬さんと一緒に人工知能学会誌34巻2号(2019年3月)にて、小特集「空間移動自動運転技術」を組ませていただき、陸海空・宇宙での最新のロボットの移動技術を紹介しました。
私はAI専門家ではありませんが、この世界とは何か、そこに生きる自分とは何かを探求していくのに、また人類の可能性を拡げていくのに、AGIは重要な役割を担うと思いますし、WBAIのように実際に創る試みが一番の近道だと思っています。AGI研究会/WBAIの活動がより持続的に営まれていくためにも、技術とビジネスを結び付け、AIロボットの事業化をこれからも推進していきたいと思います。