「私とWBAI」全脳アーキテクチャ若手の会副代表 松岡佑磨

松岡佑磨です。2017年4月より法政大学大学院 修士1年となり、深層学習器および半教師あり学習器を用いた学習データセット作成の人的コストの削減について研究をしています。

 

私は人工知能(AI)分野に興味を持ってから、これまで全脳アーキテクチャ(WBA)若手の会の活動に関わってきました。つまり、WBAIのメンバーとして日本の社会に対して影響を与えてきたことはありませんでした。

しかしながら、これまでのAI技術に関する活動を思い返してみると、WBAIとの関わりがこれまでの行動や考え方に大きく影響していることがわかりました。また、これからも私の活動に影響する存在であると思います。

これらのことを踏まえて、「私とWBAI」についてお話していきます。

 

~WBA(Whole Brain Architecture)との出会い~

 私がAI技術に興味を持ったのは大学1年生の冬でした。当時、ドワンゴ社が運営するニコニコ生放送で放送されていた将棋の棋士と将棋AIの対局を見たとき、普通の人でも指すことが難しい将棋をノートパソコンが思考し、ロボットアームで駒を打つ様子を見たときは衝撃を受けました!

 そして類まれな才能を持つプロ棋士相手にAIは互角以上に駒を進め、人間を追い込んでいく姿に興味を持ちました。それ以降はこのAIの限界がどこにあるのか知りたいと思う日々が続きました。

 しばらくして、全脳アーキテクチャ(WBA)若手の会の副代表の島田さんよりWBAという汎用人工知能(AGI)技術の実現のための仮説があることを聞き、またWBAI、WBA若手の会というAI技術の普及、発展を目指す団体があることを知りました。

 

~WBA若手の会と機械学習技術、脳の視覚野に関する勉強会への参加~

 将棋AIの対局をみて半年以上経った頃、タイミングに恵まれて第2回WBA若手の会勉強会に参加することができました。

 勉強会では、視覚という脳の機能の1つに関係する視覚野の工学モデルはConvolutional Neural Network(CNN)が有力ではないか。またCNNの登場によって広い分野にブレイクスルーが起きる可能性があるという話を聞きました。当時はBack Propagation(誤差逆伝播法)という言葉すら聞いたことがなく、その理論を理解することはできませんでしたが、人工知能技術の可能性や、歳の近い学生が自ら学修した内容を多くの聴講者に堂々とプレゼンテーションする姿を見たことは、今後の私の人生を変えました。

 その日より、WBA若手の会に参加し、AI技術に関わる日々がスタートしました。

 

~WBA若手の会の活動とWBAIとのつながり~

 WBA若手の会に積極的に参加していると、運営メンバーとして活動する機会が多くなってきて、初めて行われるWBAIハッカソンの運営メンバーの1人としてイベント内のタスクを引き受ける機会ができました。学生としてではなく1人のチームのメンバーとして扱われ、きっちりと企画を実現していく体験は苦しいながらも自分の成長につながりました。

 このような繋がりからWBAIの勉強会にも参加するようになりました。WBA若手の会の勉強会以上に広範囲で最先端の講演が行われる勉強会では、基礎知識が少なすぎて心が折れることが多かったですが、勉強会に通う中で汎用人工知能の実現のために必要な知識のレンジをなんとなく理解することができました。WBAIの勉強会はWBA若手の会で少しずつ成長する私の力試しの場となっていました。

 当時は気づきませんでしたが、WBAIおよびWBA若手の会の主要メンバーがくださったこれらの体験は、私が現在WBA若手の会の副代表としてこれから実現したい夢に大きく影響したのでした。

 

~WBA若手の会をAI人材のプラットフォームとしたい~

 これまでのWBAIとの関わりを通して、WBA若手の会が「AIに興味を持った人がAI分野の未来のリーダー(Future Leader)つまり、WBAIで活躍する人材に成長できる場」となることを目指して運営を行っています。優秀なリーダー方から受けた経験を下の世代に引き継ぐだけでなく、さらに多様な人々を巻き込んで多様な経験をすることができる場にするつもりです。なぜなら、ヒトとAIが共存した社会の実現のためには、広い分野にアンテナをもち、高い志をもつAI人材の持続可能なエコシステムを作っていく必要があると思うからです。

 これから私達の社会がより便利で幸せなものとなるためには、多くのリーダーが必要です。AIはその成長スピードが遅くなることはあっても、成長を続けていきます。しかしながら、私達ヒトは寿命があり、成長が止まる時が来ます。WBAIの方々の活躍を引き継いでいくために、私たちはFuture Leaderを目指していく必要があります。このようなことから、これからもWBA若手の会を志の高い仲間とともに成長できる場にしていきたいと思います。

このエッセイを読んで1人でも多くの人が若手の会に参加してくださることを願っています。

 

以上が私の「の成長共に関わってきたWBAI」でした。