BriCA プロジェクト
BriCA (Brain-inspired Computing Architecture) プロジェクトは、WBAI 周辺において進められている脳全体統合環境の開発活動の一つであり、コミュニティによるWBA開発を目指しています。
ここで開発されているソフトウェア(脳型計算アーキテクチャ開発プラットフォーム)が BriCA プラットフォームと呼ばれるものです。
BriCA プラットフォーム
BriCA プラットフォームは、主な構成要素として以下の2つを持ちます:
- BriCAコア:全脳アーキテクチャ中心仮説 に基づき脳領域を模した機能モジュール間で数値ベクトルの信号をやりとりする実行環境
- BriCA言語:アーキテクチャを記述する言語
脳型の認知アーキテクチャ開発のために作られたため、以下の点で全脳アーキテクチャの実装に適したものとなっています。
- 脳内の分散表現を模した数値ベクトル表現
- 脳内の信号伝達を模したメッセージパッシング
- 脳領域の階層性などアーキテクチャの適切な構造表現が可能
- 脳と同様に領域間で逆誤差伝播を行わない。
また、軽量でスケーラブル、マルチプラットフォームという特長があり、OpenAI Gym(エージェント環境)をサポートするとともに、複数の機械学習フレームワークを混合して用いることもできます。
BriCAで記述したコンポーネント(モジュール)は再利用されることが期待されます。
BriCA言語では、記述したアーキテクチャをBriCAコアの実装に変換するインタプリタを提供しています。
また、スプレッドシートで記述したアーキテクチャ(仕様書)をBriCA言語に変換するユーティリティも提供しています。
詳細は以下のページを参照ください:BriCA プラットフォームの使い方(説明会スライド)
これまでの開発状況
BriCA プロジェクトは理研BDRバイオコンピューティング研究チームの主導により2014年の夏頃から開始されました。
2022年のはじめに実利用に関してプラットフォームの周辺ソフトウェアが整備されました。
V0 開発(2014年11月〜2015年3月)
BriCA コアの Java 実装(プロトタイピング)を行いました。
V1 開発(2015年3月〜)
現在運用・保守中のバージョンです(Pure Python実装)。
BriCAコアを参照ください。
V2 開発
最新版(pip)です。2018年のハッカソンで用いられましたが、まだ文書化されていません。
参考文献
- 認知コンピューティングのための汎用ソフトウエアプラットフォームの設計と開発、 高橋 et al. (2015)