第34回 全脳アーキテクチャ勉強会〜Metacognitionと意識のAI実装と次世代BMIへの応用〜

全脳アーキテクチャ勉強会

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概要

近年、全脳アーキテクチャのアプローチにおいて、脳の構造や機能を脳から学ぶ開発手法を開発し、現在、脳型ソフトウエアのコンポーネント図を着実に作成しつつある。現在は、これら成果を実装や応用のレベルに繋げるための道筋を探っている。このような背景から、本勉強会では、実装可能なレベルでの知能の仕組みの解明を目指して進められつつあるMetacognition、 Brain Communication、さらには意識に関連する最近の研究成果を紹介し、特に脳のような形で実装可能な知能のあり方について議論する。

開催概要

  • 日 時:2022年5月11日(水) (19:00~21:30)
  • 会 場:オンライン(Zoom Meeting)
  • 参加者:一般70名、学生40名(概数)
  • 主 催:NPO法人 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ
  • 協 賛:アラヤ
  • 運 営:WBA勉強会実行委員会

講演スケジュール

時間 内容 講演者
18:55 開場
19:00 開会の挨拶(資料 山川 宏(全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)
19:05 趣旨説明 笹井俊太朗(アラヤ)
19:15 算術課題における外挿能力の測定(資料 藤澤逸平(アラヤ)
19:45 休憩(10分)
19:55 意識の神経基盤同定とそのBMIへの応用 笹井俊太朗(アラヤ)研究開発部長
20:25 存在を認識する過程と意識(資料 山川 宏(全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)
20:55 パネルディスカッション 一杉裕志(モデレーター)、藤澤逸平、笹井俊太朗、山川 宏
21:25 Closing Remark 西村由弥子(実行委員長)
21:30 終了
21:40 懇親会 オンライン
算術課題における外挿能力の測定

講演者:藤澤逸平(アラヤ)

概要: 近年の神経科学と深層学習の発展を受けて、思考プロセスや好奇心の解明、次世代AIの開発を目指している。算術課題が深層学習の限界の1つを端的に表すことを指摘し、ニューラルネットによる外挿能力の程度を明らかにするための研究について、その状況を紹介する。

参考: 規則性理解と外挿能力を評価するための足し算

意識の神経基盤同定とそのBMIへの応用

講演者:笹井俊太朗(アラヤ)研究開発部長

概要: 脳-AI / 脳-脳のような異なるシステム間で意識や意図といった抽象的な情報を伝達・共有するための次世代BMI技術の実装を目標としている。本勉強会では、アクセス意識の神経基盤の候補として提唱されているグローバルワークスペースが、Metacognitionのような抽象的な情報を生成するメカニズムとなりうるという仮説を共有し、この仮説に基づいて得られた最近の研究成果を紹介する。

参考: On the link between conscious function and general intelligence in humans and machines

存在を認識する過程と意識

講演者:山川宏(WBAI)代表

概要: 人・AIの何れであっても、世界をモデル化しようとするならば、外界の事物を存在として捉えることは必須であると思われる。しかし現状の機械学習AIでは世界の中から存在を見出そうとするEntificationのプロセスについて検討が不十分であると思われる。本発表では、機能推論の基盤となる事物を数え上げられるデータ構造を見出すEntificationの仕組みについて説明し、それが脳内の意識に対応する可能性について述べる。

参考: 山川 宏, Entificationの理論を目指して 世界から存在を取り出す一般的な原理とは、 Sig-FPAI, 2022.

運営スタッフ

  • プログラム委員長:笹井俊太朗(アラヤ)
  • 実行委員長:西村由弥子
  • 司会:山川宏
  • Zoomホスト:孫 暁白
  • Zoom共同ホスト:生島 高裕
  • connpass:西村由弥子
  • 広報/WBAI事務局:荒川 直哉
  • QAチャネル招待担当:西村由弥子