「私とWBAI」全脳アーキテクチャ開発部 山田真徳

WBAIに参加させていただいている山田真徳です。WBAIにはいろんなバックグラウンドを持った人がいろんな目的で参加しています。私も普段はNTT研究所でセキュリティの研究をやっています。私とWBAIとの出会いは超人工生命というハッカソンに参加したことがきっかけでした。何気ない気持ちで参加したハッカソンがきっかけで今では1年以上全脳アーキテクチャ開発部の活動を続けています。
ここでWBAIの良いところを書きたいと思います。

1,神経科学に詳しい人がいる
機械学習に詳しい人はいろんな勉強会にいますが、神経科学に詳しい人はとても貴重です。

2,様々なバックグラウンドとレベルの人がいるところ
自分はプログラミングは得意な方ではないのですが、メンバーの中には驚くほどプログラミングが得意な人がいてすごい勢いで実装してくれたりします。他人の実装を読むと論文を読むだけでは気づかない実装するときに必要な情報や自分の理解の足りないところに気づくことは多いです。色々なレベルの人がいるので初心者でもとてもとっつきやすく質問もしやすい空気です。

3,本当に楽しいと思うことを追求できるところ
仕事や学業だと論文にならないといけなかったり、お金にならないといけなかったりしますが利害関係より面白さを優先させた人が集まっているので何の縛りもなく本当に好きなことだけ挑戦できます。

4,オープンなところ
企業や大学だと様々なステイクホルダーとの柵で情報を共有できなかったりしますが、WBAIの情報は積極的にオープンにしていくという方針なのでWBAIでは権利関係をあまり気にする必要がないです。

WBAIの宣伝(?)が終わったところで汎用人工知能を作るまでには開発する人数が重要であることを述べたいと思います。
WBAIでは汎用人工知能をみんなで作ろうとしています。これまでの科学の発展にならって汎用人工知能の発展までの手順を考えてみます。
科学は基本的に以下のステップを踏んで発展していくと考えます。

1,実験をし観測結果を分類する
2,観測量の間の関係性をモデリング(数式に)する
3,数式の裏にある公理を見つける(物理で言うLagrangianに対称性でどんどん制約をかけていくようなステップ)
# 1と2のステップは自然科学や神経科学と違い機械学習では混ざり合っている、なぜならモデリングしないと実験ができないから。

神経科学の実験や機械学習のやってみた系論文で1の実験結果は少しずつ集まってきました。今は2を頑張っている状態でとりあえず性能がでるモデルを作って観測結果を集めている状態です。この作業は少数の天才がやるというよりは、大人数でやったほうがよく、他人が作ったモデルを組み合わせたり、パラメータをいじるだけでも有用な知見が得られます。なので汎用人工知能を作る上でたくさんの人数がいるというのはとても強みだと私は考えています。この記事を読んで少しでも興味が出た人は是非汎用人工知能作りで一緒に遊びましょう!