Blog

第26回 全脳アーキテクチャ勉強会〜自由エネルギー原理〜

概要

人工的な機械知能の振る舞いは目的関数次第だが、タスクを目的関数で表現するモデリング過程はまったく自明でない。実世界における複数タスクを対象にする場合はなおさら難しい。タスクを横断した目的関数を与える方法論が必要である。  そこで、今回は、人間の認知・行動の目的のモデリングを行ってゆくうえで重要なキーワードとして「感情」「実用的知能」「自由エネルギー原理」を取り上げる。「感情」は自然知能が進化的に獲得してきた作り付けの仕組みであると位置づけられる。 「実用的知能」は、正解のない意思決定と行動選択のヒューリスティクスとして研究されてきているキーワードである。「自由エネルギー原理」は、これらよりも抽象的な概念であり、予測コーディングの階層的確率モデルを想定することで一般用途の目的関数を与えてくれる原理的な仕組みである。  これらをベースにして、我々が多種のタスクを横断しながら解くことのできる一般的な人工知能を作ってゆくために必要なアイディアの獲得を期待する。

開催詳細

講演スケジュール

時間 内容 講演者
17:30 開場
18:00 会場説明 大羽 成征(京都大学)
18:05 開会の挨拶 井上 あきの(パナソニックラボラトリー東京 所長)
18:10 勉強会の趣旨説明 大羽 成征(京都大学)
18:25 正解のない問題の解決: 実用的知能と行動選択の心理学 熊田 孝恒(京都大学)
19:10 休憩(10分)
19:20 賛助会員さま枠 Mynet.ai Inc.
19:25 感情と感情障害のしくみ -自由エネルギー原理の観点からとらえ直す-
スライド
乾 敏郎(追手門学院大学)
20:55 Closing Remark 高橋 恒一 (理研)
21:00 終了
21:00 懇親会 会場にて22:00まで

正解のない問題の解決: 実用的知能と行動選択の心理学

講演者:熊田 孝恒(京都大学)

概要: 今日の昼食に何を食べるべきか。正解はないが、我々は何か適切なものを選択することができる。このような正解のない問題を解く人間の能力について関連する心理学や脳神経科学の研究を概観しながら議論する。また、我々の実験結果から、この問題を理解する新しい枠組みについても考えて見たい。

感情と感情障害のしくみ -自由エネルギー原理の観点からとらえ直す-

講演者:乾 敏郎(追手門学院大学)

概要: 感情が生まれる脳-身体アーキテクチャーについて説明する。ついでKarl Fristonによって提案された「自由エネルギー原理(Free Energy Principle)」の重要な思想である「能動的推論active inference」についてやや詳しく考察する。また自由エネルギー原理によれば運動指令信号は存在しない。この点についてやや詳しく議論する。最後に自由エネルギー原理に基づき感情生成の新たな仕組みをする。また感情障害についても自由エネルギー原理に重要な思想である「精度制御(precision control)」の観点から論じる。

運営スタッフ

  • プログラム委員長:大羽 成征
  • 実行委員長:生島 高裕
  • 登壇者調整:高橋 恒一
  • 司会:大羽 成征
  • 会場調整:長谷川 一郎、森川 幸治、生島 高裕
  • 懇親会幹事:長田 恭治
  • connpass:藤井 烈尚
  • SNS告知:荒川 直哉
  • メディア対応:坂井 尚行
  • 会場マイク担当等:横田 浩紀
  • 備品:長谷川 一郎

外部リンク

Leave a Comment

Name*

Email* (never published)

Website

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください