概要
社会性,すなわち他者との相互作用と理解は人工知能にとって重要な機能であるが,現在の入出力関係の近似を主体とする人工知能ではその実現の道筋は見えていない.そこで期待されるのが,人間の心の過程を理解することである.その研究の一つが認知モデルである.人間がいかにして社会性を実現しているか,人はいかにして他者を理解しようとするのか,それは如何に処理として記述・実現できるのか?そのような問いに対して現在の先端的な研究者による認知モデルを紹介する.
開催詳細
- 日 時:2019年12月6日(金) 18:00~21:00
- 会 場:SmartHR Space 〒106-6239 東京都港区六本木3丁目2-1 住友不動産六本木グランドタワー8F
- 定 員:80名
- 主 催:NPO法人 全脳アーキテクチャ・イニシアティブ
講演スケジュール
時間 | 内容 | 講演者 |
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18:10 | 導入 | 大森 隆司(玉川大学) |
18:25 | ナイーブな欲求に基づくインタラクションの始まりとデザイン(資料) | 竹内 勇剛(静岡大学) |
19:10 | 休憩(10分) | |
19:20 | 社会性の認知脳メカニズム(資料) | 嶋田 総太郎(明治大学) |
19:55 | 「心の理論」の計算論的モデリング(資料) | 中橋 亮(ソニー・インタラクティブエンタテインメント) |
20:30 | ディスカッション | |
20:50 | Closing Remark | 山川 宏(全脳アーキテクチャ・イニシアティブ) |
21:00 | 終了 | |
21:20 | 懇親会 | 美豚 |
ナイーブな欲求に基づくインタラクションの始まりとデザイン
講演者:竹内 勇剛(静岡大学)
概要:他者との間にインタラクションが発生する背後には,それぞれの個体内部で他者に対するコミュニケーション欲求を満たそうとする原初的な行動原理が働いているという仮説に基づく単純な認知モデルを通して,個体間にインタラクションが発生する過程や他者とのインタラクションからの相手の内部状態の推定,他者の行動の予測と自分自身の行動戦術のプランニング,他者の気持ちに配慮したポライトな接遇の実現など,さまざまな認知的行動の説明を試みる.
社会性の認知脳メカニズム
講演者:嶋田 総太郎(明治大学)
概要:近年の脳機能イメージング研究により、人間の社会性に関わる脳領野が精力的に調べられている。本講演では、ミラーシステムや「心の理論」に関わる研究を紹介し、その認知脳メカニズムについて議論をしたい。その中で、ミラーシステムは他者に対していつでも活動するわけではなく、さまざまな条件によってその活動を増減させること、「心の理論」領野は一般にミラーシステムとは重ならないことなどについて示し、これまでに提案されてきたモデルと合わせて議論を行う。また、コミュニケーション中の2者の脳活動を同時計測するハイパースキャニング研究についても紹介し、2者の脳間機能結合について議論を行いたい。
「心の理論」の計算論的モデリング
講演者:中橋 亮(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
概要:「心の理論」とは人が他者の行動から、その他者の心の状態、目的、意図、信念などを推測する心の機能のことである。より巧みに人と協調する人工知能の実現を目指す上で、人間の「心の理論」のモデルを計算論的にモデル化し、実装していくことは非常に重要で興味深いテーマであると考えている。本トークでは「心の理論」をベイジアン、ニューラルネットワークなどの機械学習で用いられるモデルでモデリングすることに関するトピックを数件ピックアップして紹介する。
運営スタッフ
- プログラム委員長:大森 隆司
- 実行委員長:山川 宏
- 懇親会幹事:門前 一馬
- 会場準備:門前 一馬
- 撮影:門前 一馬
- connpass:藤井 烈尚